Interview with Kharma Vella

POLERのファウンダー、Kharma Vellaに聞いた、ブランドの黎明期、マスターピースの誕生、そして、これからのPOLERのこと……。

POLeRを立ち上げようと思ったいきさつは?

POLeRはアクションスポーツとアウトドアの架け橋になろうと思って始めたんだ。

友達のベンジーと二人でスタートしたんだけど、いつも話してたのは今の業界にはアクションスポーツとアウトドアとの融合ブランドがないし、誰もそういうことをやっていないっていうことだったんだ。

当時ベンジーは家族の経営する、全米最大の使い捨てカイロの会社で働いてて、ライセンスに興味があるスノーボード・メーカーを探してたんだ。何社か紹介した後に自分たちでも使い捨てカイロのブランドを始めた方がいいんじゃないかと思って。

そこからPOLeRを立ち上げて、最初の商品として使い捨てカイロを作ったんだ。そこからPOLeRを本格的にスタートさせて、テント、バッグ、ウエアをリリースしたのち現在でもPOLeRの目玉商品である手足の出る寝袋のナップサックを出すことになったんだ。

POLeRはクールなデザイン、ビビッドな色使いなど、デザイン面でも他とは全く違いますよね。

デザインで重要なのは実用的であること。

せっかく良い商品を作っても、素材やカラーが間違ってたら台なしになってしまう。僕はどの商品も使い勝手の良いものにしたいし、全ての商品をそういうアプローチでデザインをしてる。

「みんながキャンプで必要な実用品を作ろう」という理想を掲げて、すべてのデザインを手がけてるんだ。色使いについては、ウエアラブルな色をベースに、明るい色も入れて、楽しいものにしてるよ。

「POLeR」というブランド名の由来は?

会社を立ち上げた時、まだ名前はなかったんだ。最初の商品の生産が始まるった時でもまだ名前がなかったんだ。

それで、行きつけのハッピーアワーのお店に行って、名前が決まるまで帰らないって決めてフィールドノートに名前やスケッチ、ロゴ案を書き出していくうちに、「Polar」というワードと響きが気に入ってね。

ただスペルを間違えて「POLeR」にしたから、結果的に他のブランド名とはかぶらなかったんだよね。

これまでの歴史でターニングポイントはありましたか?

僕とPOLeRの歴史はけっこうクレイジーだね。

僕はPOLeRのファウンダーで商品開発をやっていたんだけど、色々あって2015年に1度会社を退社しているんだ。それでモーターサイクル業界で新しいベンチャーを立ち上げたんだけど、素晴らしい出会いもたくさんあったし、それは現在でも活かされているんだ。これは僕にとって大きなターニングポイントになるね。

もう一つは2019年末にPOLeRにブランド・ディレクターとして再入社してPOLeRを更に発展するよう任命され現在に至るんだ。これも大きなターニングポイントだよね。

POLeRのアイテムで個人的にお気に入りのアイテム、トップ3を教えてください。

1位は間違いなく手足の出る寝袋のナップサックだね。

2001年にスケート、スノーボード仲間とみんなでアラスカに行ったんだけど、その時友達が持ってきた寝袋がダウンのもので、当時としては画期的な手足出せる穴があったから、寝袋に入ったまま歩き回れるんだ。

僕らの泊まったキャビンはスゴく寒かったんだけど、友達は寝袋に入ったままコーヒーを淹れて、トイレに行ったよ。

僕らはその寝袋が超羨ましくて、僕はいつかあの寝袋に近いものを作りたいと思ってたんだ。その機会はPOLeRで訪れたんだ。2位はテントだね。3位はポンチョかな。

今までで最高のキャンプの思い出は?

祖父と一緒にワシントン州とカナダをキャンプで回った夏のロードトリップだね。

祖父は毎年僕をキャンプに連れていってくれて、友達も1~2人連れて行ったんだ。僕には父親がいなかったから、祖父が父親代わりだったからいろんなことを教えてくれたし、それが後々になってから大切な人生のレッスンを教わったんだなってわかったんだ。

音楽好きやビギナーにオススメのキャンプ・スタイルを教えてください。

とにかくキャンプに行くことだね。

ビギナーの人は、自分の枠から出て始める新しいことを恐れちゃいけない。とにかく行って、やるのみだね。

POLeRは常に楽しさを求めた会社であり続けたし、僕らの商品はすべての人に向けて作られたものだ。登山するのも、車でキャンプに行くのも、サーフィンやスノーボード、スケートボードをするのもいい。

僕らはそういう人の為に楽しいアイテムを提供したいと思って会社を始めたわけだから。どんなレベルであれ、外に出かけて冒険をやり遂げてほしい。アウトドアで聞く音楽とビールは最高だよ。

今後の展開予定は?

POLeRではこれからも沢山のブランドとのコラボレーションを展開していくよ。ストリート系アパレルブランド、アクセサリーブランド、サーフブランド、スノーボードブランド、スケートボードブランドなど。他のブランドでは出来ない動きをするから楽しみにしていて欲しいな。POLeRは儲けばかり考えるブランドでは無く、ブランドを育てることにフォーカスして、楽しんでモノ作りをやっていきたいね。

ー Kharma Vella ー

POLERの立ち上げに携わったファウンダーとして知られる。一度はPOLERを離れるも、2019年にブランドディレクターとして復活。ブランドのアイコンとも言えるNAPSACKなどのアイテムも彼の経験がフィードバックされており、POLERの創造的なアイテム、クリエイティブのまさに首謀者とも呼べる人物。